--2018/7/1更新
軽微な修正
今年は8月に入ってから台風が日本に上陸する回数が急増し、連日ニュースで台風による人的・物的被害が報告され農作物(たまねぎ、じゃがいもなど)価格は高騰しているとか。
私事では先日のアメリカ・ロサンゼルス旅行の出発前にも台風が発生しており、フライトの行方が気になり色々と調べていたのでそれをまとめてみた。
- 出発空港に台風が直撃している場合は、飛ばない
- 航路上に台風がいる場合は、高確率で飛ぶ
- 到着空港に台風が直撃している場合は、飛ぶかもしれない
- 機材繰りによる欠航もある
- 強風でも風向きによって離着陸ができる場合も
- 国内線よりも国際線の方が欠航になりにくい
- 最後に
出発空港に台風が直撃している場合は、飛ばない
出発する空港に台風が直撃している(暴風域に入っている)場合は、当然だが飛ばない。
欠航に関する情報の調べ方
台風は進路や風速が事前に予測できるので航空会社や空港のウェブサイトでは早ければ前日午後から欠航情報が掲載される。
一例として羽田空港のフライト情報ページにて運航情報の【欠航】を選ぶと欠航が確定したフライトの一覧が表示される。
また、Yahoo!運行情報では主要空港の状況が確認できる
上記のサイトは航空会社かそれに近いルートで欠航情報を取り込んでいるので情報に間違いはほぼないはずだが、いずれにしても航空会社のページで最終的には確認して欲しい
欠航となった場合の対応と欠航になる理由
欠航となった場合は振替便を選ぶか、払戻手続きをして新幹線やバスなど別ルートを手配する必要がある。この場合の振替手数料や払戻手数料は掛からないが、払戻ができるのは自己手配(自分で航空券を予約)のみでツアーで予約していた場合には原則振替となる。
台風直撃が予想されていてもその日のすべての便が欠航するわけではなく、明け方に直撃する予報であれば午後から、夕方に直撃の予報であれば午前中はもちろん午後も風が強くなるまで離着陸するので欠航が確定しない限りは空港内で航空会社の決定を待つしかない。
欠航の基準は航空各社やパイロットに委ねられていて公開された基準はなく、その時の天候や風向き、滑走路の向き、使用する機体などを鑑みて最終的に人が決定する。また、先日の台風では成田空港の管制塔で揺れが大きく、管制官が避難したことで滑走路が閉鎖される事態があり場合によっては空港の判断も含まれる。
台風9号による強風の影響で、成田空港の管制塔(高さ約90メートル)にいた管制官約10人が22日午後2時20分、併設の事務所棟(8階建て)部分に避難し、同空港に2本ある滑走路が一時閉鎖された。
東京羽田→沖縄那覇の便で予約していたが那覇空港が暴風域に入って欠航となり同日中に振替が取れそうにない時は、東京羽田→大阪伊丹→沖縄那覇と大阪伊丹経由にして1日は大阪観光に回す手もあるので航空会社のカウンターで相談する価値はあるだろう(LCCでは上記の対応は難しいと思うが、FSCであれば状況次第では対応してもらえる場合も)。
航路上に台風がいる場合は、高確率で飛ぶ
出発空港と到着空港を結ぶ航路(飛行ルート)上に台風がいる場合は、高確率で飛ぶ。
飛行機は台風よりも上を飛ぶので、十分な飛行高度が確保できれば台風上空を通過するし、十分な飛行高度を得られなくても航路を変えて回避する。
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到着空港に台風が直撃している場合は、飛ぶかもしれない
到着空港に台風が直撃していてもフライト中に台風が過ぎ去る見込みがあれば、飛ぶ可能性がある。
到着空港で離陸予定時刻に台風が直撃していてもフライト中に台風が通り過ぎたり、フライトの出発時刻を遅らせたり、多少の上空待機や近隣空港への着陸の可能性も踏まえて飛ぶこともある。ただ、到着空港に着陸するタイミングで直撃するような場合は飛ばない可能性が高い。
しかし、到着空港側で離陸ができず駐機スポットが空いていなければ、着陸しても空港に入れず受入不可となって欠航することもある。
機材繰りによる欠航もある
台風が過ぎ去った翌日の1便も気は抜けない。
例えば、小松→羽田の朝1便で搭乗するつもりだったのが、前夜に羽田空港を台風が直撃して羽田→小松便の最終便が欠航してしまったことで翌朝1便で使用する機材(=前夜の最終便)が小松空港に到着していないことで欠航となるケースもある。
強風でも風向きによって離着陸ができる場合も
離着陸時において風向きと風速はとても重要な判断要素で、向かい風であれば強風でも離着陸できるが、離陸時は強い追い風・離着陸共に強い横風が吹いていると不可となる。羽田空港のように滑走路がいくつかの向きに複数本あれば滑走路を変更することで対処できるが、国内の殆どの空港は滑走路が1本であるので強い横風となる場合は難しい。
また、風速の上限は機種によって異なるので、大型機(B777など)は飛べても小型機(B737など)では飛べないこともある。
国内線よりも国際線の方が欠航になりにくい
国内線は1つの機材を1日に何度も使う(離発着する)のでひと度遅延が発生すると、後のスケジュールに影響が出て帳尻合わせのために欠航せざるえない場面が出てくる。
しかし、国際線はフライトの間隔が長く、欧米路線などフライト距離が長ければスピードを上げて時間短縮を図ることもできるので、暴風域を抜けるのを待って出発しても現地には定刻で到着することもある。
台風9号が関東に上陸した8月22日のニュースだが、午前の段階で国内線は多くの欠航を決めたが、国際線の欠航は予定しなかったことからも国際線は欠航しにくいことがわかる。
日本航空は22日午前9時ごろから午後3時ごろまでの間で、羽田―新千歳、福岡など、羽田発着の国内線計145便を欠航することを決めた。同日午前7時半現在、国際線の欠航は予定していないという。
最後に
欠航とならないまでも出発遅延となった場合には一定時間(4時間が多い)以上遅れるとクレジットカードの航空機遅延保険を使うことで空港施設内の飲食店での支払いが保険として適用されることもあるので、出発ロビーや搭乗口付近でイライラするよりは空港内でちょっと優雅な食事で気を紛らわすのがいい。
ただ注意が必要なのは遅れの基準はあくまでも「到着空港で遅延証明書を受け取りそこに記載された到着時間が予定よりオーバーしているか?」なので、出発は5時間遅れだったのが長距離路線の国際線だったので挽回して3時間遅れで到着した場合は申請の対象外となる(保険の契約によっては異なる場合もあるので、同保険を利用する前に必ず条件を確認しておくこと)。
また、翌日以降に振替を利用する場合はホテルの宿泊手配も忘れずに。