「大丈夫です」の敬語表現とその例文
相手の発言に賛成のときの「大丈夫です」の敬語
「大丈夫です」の敬語表現は何になるのでしょうか。 「特に異論はない」「それでいいですよ」という意味で「大丈夫です」を使う場合は、「問題ありません」「問題ございません」と言い換えるのが良いでしょう。 「問題ありません」は「困ることではありません」「問題にするほど重要なことではありません」という意味になります。「問題ありません」は目上の人に対して使うことができます。
例文 ・「◯月◯日に開催するということでよろしいですか」「はい、問題ありません」 ・「A案で進めるという方向で良いでしょうか」「はい、問題ございません」 ・「お水お注ぎしましょうか」「はい、大丈夫です」 <「大丈夫です」を使った例文 ==> 目上の人に使える言葉に言い換えた例文> ・提出は明日まで大丈夫です。==> 提出は明日まで問題はないのでよろしくお願いいたします。 ・その予定で大丈夫です ==> その日であったら問題ありませんので、よろしくお願いします。 ・◯月◯日の午前11時でお願いします。 ==> ◯月◯日の午前11時で問題ありません。
「了解」という意味の「大丈夫です」の敬語
また、「了解」「OK」という意味で「大丈夫です」を使う場合は、「承知しました」「かしこまりました」と言い換えます。 「了解です」「OKです」などは軽い印象を与えてしまうため、目上の人に対しては相応しくありません。 「承る」は謙譲語ですが、「承知」は厳密には謙譲語ではありません。しかし「承知」は「承」という文字を含むため丁寧な表現です。 「承知」だけでは失礼ですが、「承知しました」「承知です」といったふうに丁寧語をつけることで、目上の人に使用するのが適切になります。 「かしこまる(畏る)」は「つつしんで目上の人の言葉をお承る」という意味の謙譲語です。「かしこまりました」は「承知」を表す言葉のなかで最も丁寧な言葉に当たります。
例文 ・「明日の会議の資料をお送りいたしました」「承知しました」 ・「申し訳ありませんが、寝坊したため少し遅れてしまいます」「承知しました」 ・「◯◯のデータについてまとめておいて」「かしこまりました」 <「大丈夫です」を使った例文 ==> 目上の人に使える言葉に言い換えた例文> ・「資料をお送りしてもよろしいですか」「大丈夫です」 ==> 「資料をお送りしてもよろしいですか」「お願いいたします」 ・「書類を送っていただいてもよろしいですか」「大丈夫です」 ==> 「書類を送っていただいてもよろしいですか」「承知しました」 ・袋は一つで大丈夫ですか? ==> 袋は一つでよろしいですか?
断るときの「大丈夫です」の敬語
「大丈夫」は本来は間違いないことや、確かであることを意味する言葉です。 しかし、最近では「何か飲み物でも飲む?」などの問いかけに対して「大丈夫です」と返答することが多くなりました。この場合の「大丈夫です」は、「飲みません」と否定の意味で使われています。 この断るときの「大丈夫です」は、そもそも「大丈夫」の使い方としておかしいとも言われていますが、若者の間では定着しつつあります。敬語として使うのはもちろんNGです。 断るときは「大丈夫です」ではなく、「いいえ、飲みません」「遠慮しておきます」などとはっきりと言うのが適切になります。
<「大丈夫です」を使った例文 ==> 目上の人に使える言葉に言い換えた例文> ・「領収書は要りますか」「大丈夫です」==> 「領収書は要りますか」「いいえ、要りません」 ・「お箸はお付けいたしますか」「大丈夫です」==> 「お箸はお付けいたしますか」「いいえ、必要ないです」 ・「今夜、一緒に食事でもどう?」「大丈夫です」==> 「今夜、一緒に食事でもどう?」「遠慮しておきます」
「平気」という意味での「大丈夫です」の敬語
「大丈夫です」は否定するときに使うことが多いイメージですが、肯定するときにも使います。 例えば「ビール、もっと飲める?」などの問いに対してに、「大丈夫です」と答えた場合、「飲めます」と捉えることができます。 他にも「いつなら会えそう?」と聞かれたときに、「どの日でも平気」という意味合いで「いつでも大丈夫です」と使うことがあります。 ただし、「大丈夫です」は否定の意味でも使うので分かりづらく、コミュニケーションに齟齬が生まれる可能性もあります。 ですので、こういった場合には、はっきりと「はい、飲みます」だったり、「空いているのでどの日でも良いですよ」と詳しく答えることが適切です。
<「大丈夫です」を使った例文 ==> 目上の人に使える言葉に言い換えた例文> ・「お時間いただいてもよろしいですか」「はい、大丈夫です」==> 「お時間いただいてもよろしいですか」「はい、良いですよ」 ・「今日、夜ご飯は家で食べる?」「うん、大丈夫」==>「今日、夜ご飯は家で食べる?」「外で食べるからいらないよ」
「大丈夫です」の敬語表現「支障ありません」
「支障」は「さしさわり」「さしつかえ」「故障」を意味します。 「支障ありません」は「さしつかえありません」「都合は悪くありません」という意味になります。 「支障ありません」は「差し支えありません」と同様に、”許容する”という意味は含まれないので、目上の人に対して失礼にあたることなく使うことができます。 相手や状況によって「差し支えありません」だと少々丁寧すぎるなと思うときは、代わりに「支障ありません」を使えます。
例文 ・その件に関しては何も支障はありません。 ・こちらの製品を入荷できるのであれば、支障ありません。
「大丈夫です」の敬語表現「差し支えありません」
「差し支え」は「都合の悪い事情」「さまたげ」「支障」を意味します。 「差し支えありません」は「都合は悪くありません」「支障はありません」という意味になります。 「差し支えありません」は「構いません」とは違い、”許容する”という意味は含まれないので、目上の人に対して失礼にあたることなく使うことができます。 より丁寧な表現にしたい場合は、「差し支えございません」とします。
例文 ・時間がかかっても差し支えありませんので、気をつけてお越しください。 ・お返事は明日でも、差し支えありません。
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