本当の自分でいる幸せ。他人に影響されない「心の境界線」の引きかた
いつも人にふりまわされていたり、理不尽なことを断り切れなかったりして、自分を大切にできていない――そんなあなたは、自分と相手とを分ける「心の境界線」があやふやなのかもしれません。「心の境界線」が引けると、人間関係が整理され、落ち着いて自分の気持ちと向き合えるようになります。健全な人間関係を築くことができ、自信をもって能力を発揮できるようにもなるのです。あなたが他人に影響されず、本当の自分でいること。そしてそれを自分に許すことで、幸せに生きられるようになるのです。
他人にふりまわされているあなたへ
他人に影響されることに慣れてしまっていると、そのことを自覚できない場合もあります。主な例を挙げますので、身に覚えがないかチェックしてみましょう。
☐いつも人にふりまわされる
☐理不尽なことに「NO」が言えない
☐必要以上に世話を焼いてしまう
☐自分で決断できない
☐脅されているor脅している
これらは「心の境界線」がなく、自分と他人との境界線があいまいになっている証拠です。これから解決策をご紹介しますので、ご参考になさってくださいね。
「心の境界線」は自分と他人とを分けるもの
「心の境界線」とは、自分と他人とを分ける輪郭のようなものです。「境界線」というと、相手を突き放すようなイメージをもつ方もいらっしゃるかもしれませんね。そうではなく、自分も相手も尊重できるような、健全な人間関係を築くためのツールだと考えていただければよいでしょう。
「心の境界線」がないとやってしまうこと
「心の境界線」がないと、仕事や人間関係などで問題を抱えがちです。たとえ「境界線」が存在しても、引き間違えることでもトラブルになります。以下に思い当たる節はないでしょうか。
仕事をひとりで抱え込む、人に任せられない、頼まれると断れない、相手の言いなりになる、相手に任せきりになる、対等でない、いい子を演じる、理想を押し付ける、過保護、過干渉、お節介……
「心の境界線」がないことによるストレス
「心の境界線」がないと、相手との適切な距離感がとれず、余計なストレスを感じることになります。極端に回避したり、あるいは過度に依存したり、およそ健全な関係とはいいがたいものになるのです。本心でないことをやり続けるストレスや、相手の行動や感情をケアする心身の負担などがあります。
「心の境界線」が引けないのはなぜ?
「心の境界線」がうまく引けないのは、幼少期に育った環境の影響を受けていたり、過去に負った心の傷が原因だったりします。養育者の過保護や過干渉、暴言や脅し、価値観の押し付けなどで、自分で決断することや、自分の意思を尊重することができなくなるのです。また、心の傷を負うと、防御反応も過剰になり、回避行動が顕著になることも考えられます。
「心の境界線」が引けるようになるとどうなる?
「心の境界線」が引けるようになると、健全な人間関係を築くことができるようになります。何もかも自分でしようとしていたのが、相手を信頼して任せられるようになる。対等でない関係性が、お互いを尊重して思いやりがもてるようになる。相手の言いなりになっていたのが、自分で決断して余計な口出しを受け流せるようになるのです。
「心の境界線」を引く第一ステップ
「心の境界線」が引けない方は、自分が「NO」と言うことを恐れています。「相手の怒りを買うのでは?」「傷つけるのでは?」と相手を優先してしまうのです。そんな方がいきなり「NO」を言うのはハードルが高いですよね。ですから、まずは「心の境界線」を引く第一ステップから、無理なく始めてみましょう。
「境界線」を意識し、観察する
「心の境界線」は目に見えないもの。だからこそ、無意識のうちに侵入されたり、あるいは侵略してしまったりするのです。「心の境界線」を意識し、「今わたしは相手の領域に入っているかも」「今わたしは相手から侵略されているのでは?」というように、観察するところから始めましょう。
自分を大切にすると決意する
「心の境界線」を引くということは、自分を大切にするということです。境界線を越えられてしまう方は、どうしても自分よりも相手のことを優先しがちになります。「NO」を言えるようになるためにも、自分を大切にすると強く決意することが大切です。
自分のニーズを優先することを許す
つい相手のニーズを優先してしまうあなた。自分のことを優先するなんて、自分勝手でわがままだと信じて疑わないかもしれません。ですが、自分のニーズを優先するのは、生きていくうえでごく自然なこと。そう自分に「OK」を出すこと、許すことがあなたには必要なのです。
「心の境界線」を引く第二ステップ
「心の境界線」を引く第二ステップに移ります。「NOを言うといってもどうやって?」「嫌われたり攻撃されたりするのでは?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。そうではなく、適切な距離感を保つ方法や、自分も相手も尊重したものの言い方などを身につけることで、不要なトラブルを未然に防ぐことが目的なのです。
侵入を防ぐ & 侵略をやめる
どんなに親しい相手であっても、自分と相手は別の人間です。あなたが嫌だと思うことは、嫌であることを意思表示する権利があります。同様に、善意のつもりで相手を踏みにじったり、考え方を押し付けたりしていないか、振り返ってみることも大切です。
「心の境界線」チェックリスト
☐自分のことは自分で決めているか
☐相手と一緒でなくても楽しめているか
☐率直に話し合えているか
☐相手がやるべきことを取り上げていないか
☐お互いの変化や成長を認め合えているか
アサーティブに「NO」を言う
最後に、「NO」の言い方を身につけましょう。自分も相手も尊重する表現を、アサーションといいます。どちらかが我慢したりすることなく、ウィンウィンの関係になることです。
アサーティブな「NO」の言い方
①断ることに対して謝罪します
→「申し訳ありません」「ごめんね」「すみませんが」
②断る理由を簡潔に述べます
→「その日は予定があって」「自分のことは自分で決めるので」「同じものを持っているので」
③はっきりと「できない」ことを伝えます
→「どうしても無理なんです」「言う通りにはできません」「受け取ることはできません」
④代替案を示します
→「別日に1時間だけなら対応できます」「貴重なご意見として受け取っておきます」「お気持ちだけいただいておきます」
本当の自分でいることが幸せ
いつも他人にふりまわされているあなたが、本当の自分でいるための方法をご紹介しました。目に見えない「心の境界線」は、あなた自身を守るものです。そして、健全な人間関係を築くためのものでもあります。他人に影響されず、本当の自分でいること。そしてそれを自分に許すことで、幸せに生きられるようになるのです。
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